ヨガとトラウマ|アラン・フィンガー(5/7)

講演者: ニューヨーク・イシュタヨガ、Yogiraj Alan Finger氏
主催: アメリカ国立衛生研究所 (NIH)
撮影: iHanuman
翻訳:全米ヨガアライアンス ERYT-500 田中三智子、薬学博士 林 良樹

アメリカ国立衛生研究所 (NIH) はアメリカ合衆国保健福祉省に属しており、医学研究の推進と支援に関する主要な連邦政府機関です。NIHは2008年5月、初めて「ヨガウィーク」を開催し、ヨガの実演、教室、講演などを連日に渡って行いました。このイベントの参加は無料で、一般にも公開されました。

2008年NIHヨガウィークで、オープニングの講演を行ったのは Yogiraj Alan Finger 氏でした。7編のビデオで構成されるこのシリーズで同氏は、彼が開発したイシュタヨガ (ISHTA YOGA) と呼ばれるヨガシステムを説明しています。ISHTAは「 Integrated Sciences of Hatha, Tantra, and Ayurveda (ハタヨガ、タントラ、アーユルベーダを統合した科学)」の頭文字から作られた言葉です。彼の講演から既に5年の年月が流れていますが、このビデオシリーズは高い人気を保ち続けており、時が経っても色褪せない内容を誇っています。そこで私たちは、読者の皆様とこのビデオを共有させて頂こうと思い立ちました。

さて今度はISHTAがいかにして生まれたのか、わたし自身と父のことについてお話しします。

父は第2次世界大戦後に精神が苛まれ、薬物中毒、アルコール中毒になっていました。祖父は父を南アフリカなどいろんなところに出張させていました。そんな旅の一つにロスアンジェルスへの旅がありました。そのときにロスに来ていたヨガナンダの講演を聞きに行きました。なぜ行ったのかは解りませんが、多分酔っぱらっていたのでしょう。

講演の最後に、今日クリヤヨガと言われるヨガを創りだしたヨガナンダは、父にイニシエーションを与え、導き、“あなたはインドに行き、その後南アフリカに行き有名なヨギーになると、息子の一人があなたの跡を継ぐ“と言ったそうです。

さてここで post traumatic stress (PTDS)に関する、あなたの質問に戻りましょう。

全ての記憶は肉体に記憶されます。あなたの意識マインド(自覚している意識)は、ここ(頭)にあります。これが最も厄介な問題なのですが、戦争が終わったり、ひどい状況は終わったのに、なぜこのような(ひどい状況が続いているような)感覚に囚われているのか?意識マインドは合理的理由を教えてくれません。意識マインドはあなたを統治していないからです、無意識があなたを統治しているから。

あなたの潜在意識は、このおへその辺りの部分の灰白質の少ない脊柱、脊髄神経を介して膨大な量の感覚信号を、脳へ送っています。セラピーやアサナを通じてもまた、脳へ信号を送っています。

おへそより下は何でしょう?それは無意識です。この辺りは白質のみで、軸索が足の裏側の組織へつながっています。あなたの無意識は、足の裏側の組織をロックするようになります。このため人々は腿の裏側が硬くなるようです。歩き回って動いてるのになぜそんなに硬くなるの?無意識が原因でしょう。無意識の抑制はさらに無意識を刺激し、私たちを支配しようとします。ですので、このエリアの無意識の抑制をダウンドッグや、いろんなストレッチで解放してやると、様々な抑制が解放することができるのです。

ストレスを溜め込んでいて、セラピーを必要とする人がいたら、腿の裏にストラップをまわして、このようにシンプルに各2分間ストレッチしてあげるだけで、彼らは直ぐに、解放された、救われたと感じるでしょう。

呼吸もまた、無意識を探求し解放するのに役立つ特別な方法です。マントラを使っても無意識から解放されることを助けてくれます。

  • Alan Finger氏とイシュタヨガに関する詳しい情報は、 www.ishtayoga.com をご覧下さい。
  • ヨガ教師の世界的なコミュニティは、 www.ihanuman.com でご覧頂けます。