「職人芸」
病院で看護婦さんが母のお清拭をしているとき、全員が同じマニュアルにそってしている。でも看護師さんの気の入れ方で同じ拭き方で終わらせても、終わったときの母の様子がまったく違う。母の体の向きの変え方も皆同じように動かすけれど、心をこめてしていただくと母が気分の良い位置にはいるせいか、本当に心地好さそうにしていて、良いエネルギーが漂う。良いプラナをいただき、母も良いプラナをだす。それをみて私の心までなごむ。これも職人芸なのではないのかしらとおもってしまう。長い入院生活なので、どの看護師さんが母の体交を変えてくれたかもこの頃わかる。体交をかえるというような些細なことでも職人芸になりえますよね?
プライベートを教えさせていただいたときに、まさに職人芸とおっしゃっていただいたことがある。私は、ただその方のその瞬間に必要なアラインメントを見つけさせていただいているだけ。もちろん基本の知識はあるけれど、一生懸命その瞬間に意識をおくことを何よりも心がけ、バランスを整えてさしあげることを心がけている。
お仕事をしたことがない母はあまり特定の技術をもっていない。刺繍、編み物、鎌倉彫りはとても上手だったけれど、もう一つ母が上手だったことがある。ごはんをおいしそうにおいしくよそうこと。生まれてこのかたどの炊飯器の宣伝をみても、母のよそってくれたご飯ほどおいしそうにお米をたたせているものを見たことはない。まねしてみてがんばってみたけれど、もうあきらめ。あれは天性のものかもしれない。でも炊きたてのご飯をむらして、おへらをいれるところからいつも丁寧にし、そこからかき混ぜるときも、お米を一つ一つつぶさないようにし、丁寧にしていたのを覚えている。 良いプラナがそこにそそがれていたのかも。(考えすぎ?)やっぱりあれも職人芸といってもよいかも。炊飯器の会社の人は母を雇えばよかったのに、、、
息子が品なくてんこ盛りにして、ご飯をよそって食べるのは私のせいかしら、、、
久美子
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